そもそも看護師経験しかない私が、違う仕事へ転職することはできるの?
今回は、こういった疑問に答えます。
- 看護師を辞めて違う仕事に転職することが可能な理由
- 看護師を辞めて違う仕事に転職するメリット・デメリット
- 看護師から他職種への転職をオススメしない人
- 看護師から他職種に転職するときの転職先
- 看護師を辞めて違う仕事に転職する方法
現在はフリーナースの学校を運営しながら、一般企業(Webライター)でフルリモートワークをおこなっています。
「看護師を辞めて違う仕事に転職したい…」という気持ち、痛いほどよくわかります。
なぜならわたし自身も、看護師にむいてない…、このまま看護師を続ける自信がない、陰湿な人間関係から解放されたい…などの理由で、看護師を辞めて違う仕事に転職したから。
看護師から違う仕事に転職した結果、年収は下がってしまいましたが「人生の幸せ指数が格段にアップした」したので、後悔はまったくしていません。
今回はそんな私の実体験にもとづいて、看護師を辞めて違う仕事に転職することが可能な理由や看護師を辞めて違う仕事に転職するメリット・デメリット、看護師を辞めて違う仕事に転職する方法などについて解説していきます。
看護師が他職種へ転職する3つの理由
看護師を辞めて他の仕事に転職したいと思っているのは、あなただけではありません。
実際、マイナビ看護師が2018年に実施したアンケートをみると、看護師を辞めた理由の2位が「ほかにやりたい仕事がある」になっています。
看護師から他職種へ転職したい理由については、
- 出産や育児などライフイベントによるもの
- いじめやパワハラなど人間関係による精神的な負担
- 夜勤などの不規則勤務による身体的な負担
- 定年まで看護師を続けることへの不安
- 看護師に向いてないなど働き方への疑問
などさまざま…。
わたしの場合は看護師に向いていない…、このまま看護師を続ける自身がない…、陰湿な人間関係から解放されたい…という3つの理由が、看護師から他職種へ転職する大きな動機になりました。
理由①|看護師に向いていないと感じる…
看護師から他職種へ転職したいと思う理由の一つに「看護師に向いてない…」というものがあります。
看護師に向いてないと感じる原因として多いのが、看護師の仕事にやりがいを感じない、仕事に楽しみを見いだせないとき。
実際、すべらない転職でおこなった現役看護師のインタビューでも、やりがいが感じられなくなったとき、仕事がつらくてたまらないときが看護師に向いてないと感じる理由としてあげられています。
わたしの場合も経験年数が増えれば増えるほど、自己研鑽するためのモチベーションや、仕事に対するやりがいが低下していきました。
理由②|このまま看護師を続ける自信がない…
看護師を続ける自信がないと感じる原因の一つに、夜勤による不規則勤務や多忙な業務による身体的な負担があります。
実際、ナーステートがおこなったアンケートでも、夜勤や多忙な業務による身体的な負担を理由に看護師から別の仕事に転職した人がいます。
わたしも場合も経験年数を重ねるたびに、夜勤による身体的な負担が大きくなっていきました。20代後半で夜勤がシンドすぎるのに、30代・40代ましてや「50代まで夜勤のある生活を続けるのはムリ」と感じるように…。
理由③|陰湿な人間関係から解放されたい…
人間関係については、マイナビ看護師が2018年に行ったアンケートで看護師を辞めた理由の1位に。
さらにナーステートがおこなったアンケートでも「パワハラやいじめが横行する人間関係に疲れた」が他業種・他職種への転職した理由の一つになっています。
わたしの場合も、経験年数が上がっても、一部の先輩や上司、医師からイジメやパワハラを受ける日々…。それに加えて後輩が先輩や上司、医師からイジメやパワハラを受け、泣いている姿を見るのも、自分がやられている以上に苦痛に感じていました。
イジメやパワハラを受けるのも、見るのも苦痛…、でも看護師でいる限り陰湿な人間関係から抜け出すことができない…。だったら看護師を辞めて違う仕事に転職するしかないと思い転職活動を開始。転職後はイジメもパワハラもない職場で、仕事ができるようになりました。
看護師は低リスクで違う仕事に転職できる
結論として看護師なら「低リスク」で、違う仕事に転職できます。
なぜなら看護師資格+経験があると、基本的に「仕事に困らなくなる=衣食住に困らなくなる」から。
実際、厚生労働省の看護職員受給見通しの今後の進め方について(案)のなかでは、下記のような明記があります。
社会保障・税一本改革の試算では、2025年に看護職員が約196〜約206万人も必要とされており、今後、仮に3万人/年のペースで増加しても、約3万人〜13万人分のギャップが生じるとされている。
このように、今後も病院を含む「多くの医療・福祉現場」で看護師が必要とされるため、看護師資格+経験があれば基本的に仕事に困ることはありません。
仕事に困ることがないという事実がわかると、低リスクで看護師から他職種への転職に挑戦できますね。
看護師を辞めて違う仕事に転職する4つのメリット
看護師を辞めて違う仕事に転職すると、下記のようなメリットが得られます。
- 身体的な負担が減る
- 精神的な負担が減る
- 人間関係のストレスが減る
- 看護師以外で生きてくための自信がつく
メリット①|身体的な負担が減る
看護師から夜勤なしの職場に転職すると、身体的な負担が軽くなるだけでなく、新しいことに挑戦する余力もうまれます。
なぜなら夜勤がないと、規則正しい生活が送れるようになり、十分な睡眠がとれるようになるから。
実際、夜勤による慢性的な睡眠不足は日中の眠気や意欲低下・記憶力減退など精神機能の低下を引き起こすだけではなく、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼすとされています。
わたしの場合は、夜勤のない生活をはじめてから、副業をはじめる余力がうまれ、副業で得たスキル・知識によって一般企業に転職できました。
メリット②|精神的な負担が減る
看護師から他職種に転職すると、精神的な負担が少なくなります。
精神的な負担が少なくなる一番の理由は、命を預かるプレシャーから解放されるから。
実際、ナースステートがおこなったアンケートでも、看護師を辞めて違う仕事に転職して責任が軽くなったという声があります。
とはいえ「失敗したら人を殺してしまうかも…」という命を預かるプレッシャーと比べると、精神的な負担は少ないですよね。
メリット③|人間関係のストレスが減る
看護師から他職種に転職すると、人間関係のストレスが減ります。
実際、ナースステートがおこなったアンケートでも、看護師を辞めて違う仕事に転職したことで、人間関係に悩まなくなったという声があります。
もちろん他職種に転職したとしても、自分にとってイヤな人はいます。
メリット④|看護師以外で生きていくため知識・スキルがみにつく
看護師から他職種に転職すると、看護師以外の知識・スキルがみにつくため、看護師以外で生きいくための自信をつけれます。
たとえば一般企業に転職した場合、
- 電話対応
- 書類作成
- 顧客対応
- 契約書の締結
- 見積書・請求書・発注書などの作成・発送・管理
- etc…
などさまざまなビジネスマナーやビジネススキルを学ぶことができます。
またこれまで経験したことがない仕事に携わると、働き方に対する視野を広げることができます。
わたしの場合は、パソコンを使って自宅で作業する機会が増えたことで、副業にも取りくむようになり、2〜3万円/月の継続収入と、10万円/回の単発収入を得るスキル・知識が身につきました。
さらにブログで身につけた知識・スキルをいかして、Webライターとして一般企業に転職することもできました。
看護師を辞めて違う仕事に転職する2つのデメリット
当然ながら看護師から他職種への転職には、メリットだけでなくデメリットも伴います。
看護師から他職種に転職するデメリットは、下記のとおりです。
- 給料が下がることが多い
- 新人からのスタートになることが多い
デメリット①|給料が下がることが多い
看護師から他職種に転職すると、給料が下がってしまうことが多いです。
給料が下がる大きな理由は、夜勤手当がなくなる、ボーナスが少ないor支給されない職場があるから。
たとえば夜勤のない職場に転職した場合、月にすると約4万円、年間にすると約50万円の収入減に…。
実際にわたしが転職した職場では、ボーナスがかなり少なく、年間70万円の収入減になりました…。
給料については、ナースステートのおこなったアンケートでも「後悔はしていないが、強いて言えば収入が減ってしまったことが悪かった点だった」という声がありました。
デメリット②|新人からのスタートになることが多い
看護師から他職種に転職すると、新人からのスタートになってしまうことが多いです。
新人からのスタートなる大きな理由は、看護師として積み上げてきた知識・スキルが、ほぼほぼ役に立たない場面が多々あるから。
とくに一般企業に転職する場合は、看護師として知識・スキルよりも、ビジネスマナーやビジネススキルが求められます。
とはいえ病院で、ビジネスマナーやビジネススキルを学ぶ機会はないですよね。そのため一般企業に転職した場合は、新人からのスタートになってしまうことが多くなってしまいます。
もちろん看護師資格を活かせる職場なら、看護師として積み上げてきた知識・スキルを活かしながら働くことが可能。
看護師から他職種への転職をオススメしない人
看護師から他職種への転職をオススメしない人は、下記のような人です。
- 3年目をやりきってない人
- 明確な転職目的がない人
逆に3年目をやりきった状態で、明確な転職目標があるなら「今すぐにでも転職の準備をはじめた方がいい」です。
なぜなら決断を先のばしにしてしまうと、時間という貴重な資源をムダにしてしまうから。
実際にわたしも漠然として不安に負けて、転職を先延ばしにしてしまった結果、5年という貴重な時間を失なってしまい、今でもひどい後悔をしています。
ただし、3年目をやりきっていない状態でも、我慢の限界を感じているなら、今すぐに転職するなどして環境を変えた方がいいです。
オススメしない人①|3年目をやりきってない人
3年目をやりきってない人は「3年目をやりきってから」転職した方がいいです。
なぜなら3年目をやりきると、下記のようなメリットを得られるから。
- 転職先選びのひろがる
- 働き方の幅がひろがる
メリット①「転職先選びの幅がひろがる」
転職先選びの幅がひろがる理由は「病院以外の職場」に転職できる可能性が高くなるから。
実際、病院以外の職場では「3年以上の臨床経験が必須」という条件を設けている職場が多々あります。
3年の臨床経験があれば、臨床経験の縛りがある職場への転職も可能になるため、より多くの選択肢の中から転職先を選べるようになります。
メリット②「働き方の幅がひろがる」
働き方の幅がひろがる理由は「正社員↔パート・正社員↔アルバイト・正社員↔派遣」という勤務形態の切り替えを、わりあい簡単におこなえるようになるから。
たとえばわたしの場合は、病院を辞めたあとパートやアルバイト、派遣など「正社員にこだわらない働き方」をしていました。その結果、医療・福祉の現場だけでなく、起業の手伝いや一般職の経験をすることができ、今はWebライターとして一般企業でフルリモートワークができるようになりました。
正社員にこだわらない働き方ができたのは、その気になればいつでも正社員に戻れるという安心感があったのが大きいです。
オススメしない人②|明確な目標がない人
明確な目標がない人は「転職目的を明確にしてから」転職した方がいいです。
なぜなら転職目的が明確になっていないと「負の連鎖に陥る可能性が高くなってしまう」から。
実際、明確な転職目的がないと…
- 行き当りばったりの転職をすることになり、転職後に後悔する可能性が高くなる
- 転職後の後悔する可能性が高くなると、短期間で転職を繰り返してしまう可能性も高くなる
- 短期間で転職を繰り返すと、採用担当者に与える印象が悪くなってしまう
- 採用担当者に与える印象が悪くなると、内定をもらえなくなる確率が上がってしまう
という負の連鎖に陥ってしまう可能性が高くなってしまいます。
看護師を辞めて違う仕事に転職するときの転職先
看護師を辞めて違う仕事に転職する場合、
- 看護師資格を活かせる職場
- 看護師とは関係ない異業種
という2つの選択肢が主にあります。
看護師資格を活かせる転職先
看護師資格を活かせる転職先は、下記のとおりです。
老人ホーム | 保育園 | 障害者福祉施設 |
企業の看護師 | 治験コーディネーター | ツアーナース |
救護室 | デイサービス | 検診センター |
美容クリニック | 訪問看護 | 献血ルーム |
児童養護施設 | コールセンター | クリニカルスペシャリスト |
クリニック | 訪問入浴 | etc… |
はじめての転職には「介護系の職場」がオススメ
「看護師から他職種に転職したいけど、いきなり違う仕事をするのは不安…」と考えているなら、まずは介護系の職場がオススメです。
そのほかにも介護系の職場には…、
- 夜勤をしなくてもすむ
- ほぼほぼ残業なしで働ける
- アクティブに外で仕事ができる
- ゆったりとした環境で仕事ができる
- 病棟経験をそのまま生かすことができる
- プライベートを充実させることができる
- 命に直接関わらない働き方をすることができる
- ワークライフバランスを重視した働き方ができる
- etc…
などさまざまざなメリットがあります。
このように病棟経験をそのまま活かした働き方やワークライフバランスを重視した働き方などができる介護系の職場は、はじめての転職にオススメの転職先です。
看護師とは関係ない異業種の転職先
看護師とは関係ない異業種の転職先は、下記のとおりです。
営業 | 企画・マーケティング | ITエンジニア |
事務・管理 | Web・インターネット | クリエイティブ |
サービス・販売 | 化学・食品 | etc… |
どの職場を選んだらいいか迷うときは、少しでも興味がある職場について調べたり、アルバイトという形で経験しましょう。実際に経験することで、少しずつ自分に合っている職場を見つけることができます。
看護師を辞めて違う仕事に転職する方法
看護師を辞めて違う仕事に転職するときは、計画的にで転職活動をおこなっていくことが重要です。
失敗しない転職活動の流れ
看護師を辞めて違う仕事に転職するときは、下記の流れで転職活動をおこなっていきましょう。
スケジュール | 内容 |
転職の決意 | 転職時期の決定 |
6〜4ヶ月前 | 自己分析 |
4〜2ヶ月前 | 求人探し |
求人先への見学 | |
求人先の絞り込み | |
面接対策・履歴書・職務経歴書の作成 | |
2〜1ヶ月前 | 求人先への面接 |
転職終了 | 内定・入社 |
上記のなかでとくに重要なのが「自己分析」。
というのも自己分析をおこなうと「どう生きたいか・転職活動の軸・転職の目的」を明確にすることができるから。
たとえば私の場合…
- どう生きたいか:組織に属すことなく働きたい
- 転職活動の軸:看護師資格を活かして、組織に属さず働く方法を身につける
- 転職の目的:まずは「病院以外の職場に転職」して、看護師の可能性を探る
ということが明確になりました。
看護師から他職種への転職に不安がある時の解決策
看護師から他職種への転職に不安があるときは「派遣看護師×アルバイト」という形で働くがいいです。
派遣看護師×アルバイトという形をオススメする理由は、働きなれた看護師として働きつつ、異業種の経験もつめるから。
派遣看護師なら週3勤務で約19万円の収入を得られる
派遣看護師には、時給2,000円を超える求人があるため、夜勤なしでもある程度の収入を確保できます。
時給 | |
病院 | 1,800〜2,200円 |
検診センター | 1,600〜1,800円 |
保育園 | 1,500〜2,000円 |
特別養護老人ホーム | 1,500〜2,000円 |
有料老人ホーム | 2,000〜2,200円 |
デイサービス | 1,450〜2,000円 |
訪問入浴 | 1,580〜1,800円 |
コールセンター | 1,900〜2,000円 |
クリニック | 1,500〜2,000円 |
*2022年3月時点
参照:MC-ナースネット
- 2,000円/時間 ☓ 8時間/日 ☓ 3日/週 ☓ 4回/ヶ月=192,000円
- 1,000円/時間 ☓ 8時間/日 ☓ 2日/週 ☓4回/ヶ月=64,000円
派遣看護師とアルバイトの収入を足すと「256,000円」。十分に生活できる金額ですよね。
- 2,000円/時間 ☓ 8時間/日 ☓2 日/週 ☓ 4回/ヶ月=128,000円
- 1,000円/時間 ☓ 8時間/日 ☓ 3日/週 ☓ 4回/ヶ月=96,000円
派遣看護師とアルバイトの収入を足すと「224,000円」。こちらも、十分に生活できる金額ですよね。
このように「派遣看護師+アルバイト」という働き方なら、働きなれた看護師として働きつつ、他職種の経験をつむことができます。
経験者がオススメする派遣会社
なお派遣会社に登録するときは、実績があり求人数の多い大手の派遣会社を選ぶようにしましょう。
またより良い求人を探すためには、複数の派遣会社に登録して、なるべく多くの求人を比較検討することが重要です。
わたしが実際に利用してよかったオススメの派遣会社は、下記の3つ。どの派遣会社も実績があり求人数も豊富で、担当になってくれた方もとてもいい方でした。
派遣会社 | 求人数 |
MC-ナースネット | 約2,000件 |
レバウェル看護 (看護のお仕事) | 約10,000件 |
ナースパワー | 約2,000件 |
看護師派遣ってどうなの?【メリットやオススメの派遣会社を紹介!】では、派遣看護師の具体的な働き方や、注意すべきこと、メリット・デメリットなどに関して解説しているので、参考にしてもらえれば幸いです。
【まとめ】看護師から他職種への転職は低リスクでできる
今回は、看看護師から他職種に転職するメリット・デメリットや他職種への転職方法などについて解説しました。
結論として、看護師から他職種への転職は低リスクでできます。
しかも看護師から他職種へ転職すると、精神的な負担の軽減や対人ストレスの軽減、生活の質の向上などさまざまなメリットを得られます。
看護師から他職種への転職は不安だと思いますが、看護師資格があれば失敗したとしても、食いっぱぐれることはありません。