どんな仕事があるか知りたい。
また、どの仕事を選べばいいかしりたい。
看護師として今後の生き方に悩んでいるので、実際に命に関わらない仕事をしている看護師の話を聞きたいです。
こういった疑問に答えます。
現在は転職アドバイザーとして活動しています。
私も同じ看護師として,命に関わる仕事の大変さは痛いほどわかります。
そして、命に関わらない仕事をしたい仕事をしたい、という切実な思いも理解できます。
幸い今の私は、命に関わらない仕事をすることができているため、かなりのストレス減で毎日をおくることができています。
今回はそんな私の実体験にもとづいて、命に関わらない仕事について解説します。
看護師だけど、命に関わらない仕事をしたい【結論:ほぼ可能です】
看護師でも、命に関わらない仕事をすることはほぼ可能です。
なぜかとういうと、病院以外でも看護師資格をいかして働ける職場があるからです。
具体的には、以下のとおり。
企業看護師 | 検診センター | 献血センター |
デイサービス | 介護施設 | 訪問入浴 |
クリニック | 保育園 | 看護学校の教員 |
コールセンター | クリニカルスペシャリスト | etc… |
もちろん、上記の職場を選んだとしても、看護師というポジション&医療・福祉の現場で働く限り、完全に命に関わる仕事から逃れることはできません。
とはいえ、病棟勤務に比べれば、命に関わる比重は確実に減ります。
候補①「企業看護師」
命に関わらない職場の一つとして、企業看護師を候補にあげたのは、以下のような仕事内容だからです。
- 健康診断の補助・フィードバック
- 保健指導や集団教育
- 報告書の作成やミーティングへの参加
- 健康相談や健康だよりの作成等
- メンタルカウンセリング
- 急な疾病やケガに対する応急処置
- etc…
このように、企業看護師の場合は、「従業員の健康管理業務」などが主な仕事になるため、病棟勤務に比べて命に関わる比重が格段に少なくなります。
候補②「健診センター」
命に関わらない職場の一つとして、健診センターを候補にあげたのは、以下のような仕事内容だからです。
- 採血
- 身長・体重測定
- 視力・聴力検査
- 乳がん健診・子宮がん健診・内視鏡検査などの診察介助
- 予約管理や検査結果のチェック、書類作成などの事務作業
- etc…
このように、健診センターの場合は、「健康診断や人間ドックの介助」などが主な仕事になるため、病棟勤務に比べて命に関わる比重が格段に少なくなります。
候補③「献血センター」
命に関わらない職場の一つとして、献血センターを候補にあげたのは、以下のような仕事内容だからです。
- 輸血用血液の採血業務
- 採血資材の在庫管理
- 血液搬送の準備
- 記録や、物品管理・検査機器の点検
- 緊急時の対応
- etc…
このように、献血センターの場合は、「採血業務」などが主な仕事になるため、病棟勤務に比べて命に関わる比重が格段に少なくなります。
候補④「デイサービス」
命に関わらない職場の一つとして、デイサービスを候補にあげたのは、以下のような仕事内容だからです。
- バイタル測定
- 入浴後の処置(軟膏塗布や湿布貼付、褥瘡処置など)
- レクリエーションのサポート
- 服薬管理
- 血糖測定・インスリン注射
- 食事介助・口腔ケア
- 記録の作成
- etc…
このように、デイサービスの場合は、「健康状態の確認や簡単な医療処置、身体介助」などが主な仕事になるため、病棟勤務に比べて命に関わる比重が格段に少なくなります。
候補⑤「介護施設」
命に関わらない職場の一つとして、介護施設を候補にあげたのは、以下のような仕事内容だからです。
- 健康管理(バイタル測定など)
- 服薬管理
- レクリエーションのサポート
- 簡単な医療処置(血糖測定・インスリン注射・褥瘡処置・たん吸引など)
- 日常生活のサポート(食事介助・排泄介助・移動介助など)
- 緊急時の応急処置
- etc…
このように、介護施設の場合は、「健康管理や日常生活のサポート、簡単な医療処置」などが主な仕事になるため、病棟勤務に比べて命に関わる比重が格段に少なくなります。
候補⑥「訪問入浴」
命に関わらない職場の一つとして、訪問入浴を候補にあげたのは、以下のような仕事内容だからです。
- 入浴前後のバイタル測定
- 入浴可否の判断
- 入浴介助(全身状態の観察・更衣介助)
- 簡単な処置(軟膏塗布・湿布貼付・褥瘡処置など)
- 記録
- etc…
このように、訪問入浴の場合は、「健康状態の確認や入浴介助」などが主な仕事になるため、病棟勤務に比べて命に関わる比重が格段に少なくなります。
候補⑦「クリニック」
命に関わらない職場の一つとして、クリニックを候補にあげたのは、以下のような仕事内容だからです。
- 診療の補助
- 問診・バイタル測定
- 検査の説明や補助(心電図測定・レントゲン撮影など)
- 採血・注射・点滴
- 雑務(備品管理・電話対応・掃除など)
- etc…
このように、クリニックの場合は、「診察・検査の補助や雑務」などが主な仕事になるため、病棟勤務に比べて命に関わる比重が格段に少なくなります。
候補⑧「保育園」
命に関わらない職場の一つとして、保育園を候補にあげたのは、以下のような仕事内容だからです。
- 健康管理(ケガや体調不調などへの対応など)
- 園内の衛生管理
- 保健指導(感染症への対策など)
- 保育士の補助(子供もお世話など)
- 保育士・保護者への健康アドバイス
- 健康診断や歯科検診の補助
- etc…
このように、保育園の場合は、「園児の健康管理や保育士の補助」などが主な仕事になるため、病棟勤務に比べて命に関わる比重が格段に少なくなります。
候補⑧「看護学校の教員」
命に関わらない職場の一つとして、看護学校の教員を候補にあげたのは、以下のような仕事内容だからです。
- ミーティング
- 授業や実習での指導・教育
- 生活指導や進路相談
- 実習の準備・日程調整・実習指導
- 授業の準備・事務作業
- etc…
このように、看護学校の教員の場合は、「学生の指導・教育」などが主な仕事になるため、病棟勤務に比べて命に関わる比重が格段に少なくなります。
候補⑨「コールセンター」
命に関わらない職場の一つとして、コールセンターを候補にあげたのは、以下のような仕事内容だからです。
- 問い合わせや相談への対応
- 急なケガや病気の処置に対する電話対応
- 健康・育児・介護などに関する電話相談
- 薬の飲み方や使い方などの説明
- 医療機器の取り扱い方法などの説明
- etc…
このように、コールセンターの場合は、「電話対応・相談」などが主な仕事になるため、病棟勤務に比べて命に関わる比重が格段に少なくなります。
候補⑩「クリニカルスペシャリスト」
命に関わらない職場の一つとして、クリニカルスペシャリストを候補にあげたのは、以下のような仕事内容だからです。
- 臨床データの提出
- 自社製品の使い方やメリットなどの説明
- 自社製品導入前のデモンストレーションの実施
- 自社製品導入時の立ち会い
- 自社製品導入後のアフターフォロー
- etc…
このように、クリニカルスペシャリストの場合は、「営業職の販売活動のサポート」などが主な仕事になるため、病棟勤務に比べて命に関わる比重が格段に少なくなります。
命に関わらない仕事をしたいけど、どこに転職すればいいかわからない看護師へ【介護系がいい】
どこに転職すればいいか悩んでいる場合は、まず介護系の職場に転職するのがいいと思います。
理由は、以下のとおり。
- 命に関わる状況に遭遇することが少ない
- 病棟経験で培ったスキル・知識をいかすことができる
理由①「命に関わる状況に遭遇することが少ない」
なぜかというと、病棟と介護では役割が違うから。
- 病棟(医療):治療をサポートすることが目的
- 介護(福祉):日常生活をサポートすることが目的
上記のとおりで、介護はあくまでも日常生活のサポートがメインになるため、病棟のように直に命に関わる業務をすることが劇的に減ります。
実際に私も、介護施設やデイサービス、訪問入浴などの職場を経験しましたが、命に関わる事態に遭遇したことはほぼほぼありませんでした。
それに加えて、命に関わる事態が発生したときは、救急車を呼んで、そのまま病院に搬送されていくため、病棟のように救急カートを運んできての処置などは基本的になかったです。
理由②「病棟経験で培ったスキル・知識をいかすことができる」
なぜかというと、介護現場で求められるがスキル・知識と、病棟での経験がマッチするから。
実際、介護現場では、以下のような業務をおこないます。
食事介助 | 排泄介助 | 入浴介助 |
更衣 | 口腔ケア | 清拭 |
生活援助 | レクレーション | etc… |
送迎 | 食事介助 | 排泄介助 |
入浴介助 | レクレーション | etc… |
このように、介護現場では、病棟で培った経験をほぼそのままいかすことができるんです。
そういった意味でも、介護現場は、はじめての転職に最適な職場と思います。
ただし、介護現場に転職するなら派遣看護師からのほうがいい件
なぜなら、介護現場と病棟勤務のギャップについていけず、転職してすぐに辞めてしまう看護師がいるから。
実際問題、短期間で仕事を辞めるというのは、採用担当者に不信感を与え、転職を不利にしてしまう原因になってしまいます。
そういった危険を避けるためにも、まずは派遣看護師として働いたほうがいいです。
派遣看護師のメリット
メリットは、以下のとおり。
- 履歴書を傷つけることなく職場を変えることができる→雇い主が派遣会社だから
- 大抵の場合、時給がいい→時給2,000越の職場アリ
経験者がオススメする派遣会社
なお派遣会社に登録するときは、実績があり求人数の多い大手の派遣会社を選ぶようにしましょう。
またより良い求人を探すためには、複数の派遣会社に登録して、なるべく多くの求人を比較検討することが重要です。
わたしが実際に利用してよかったオススメの派遣会社は、下記の3つ。どの派遣会社も実績があり求人数も豊富で、担当になってくれた方もとてもいい方でした。
派遣会社 | 求人数 |
MC-ナースネット | 約2,000件 |
看護のお仕事 | 約10,000件 |
ナースパワー | 約2,000件 |
看護師派遣ってどうなの?【メリットやオススメの派遣会社を紹介!】では、派遣看護師の具体的な働き方や、注意すべきこと、メリット・デメリットなどに関して解説しているので、参考にしてもらえれば幸いです。
看護師が完全に命に関わらない仕事をする方法【医療&福祉以外の仕事をする】
方法は一つ、医療&福祉以外の仕事をすることです。
なぜなら、医療・福祉の現場で働く限り、完全に命に関わる仕事から逃れることはできないから。
具体的には、営業や事務、広報など、看護師とはまったく関係ない一般職に転職する必要があります。
看護師から一般職に転職するときの注意点
注意点は、以下のとおり。
- 看護師の経験は一旦忘れる
- 新卒のつもりでがんばる
- 給料が減るのを覚悟する
一つずつ解説します。
注意点①「看護師の経験は一旦忘れる」
なぜかというと、対応する相手がまったく違うから。
具体的には、以下のとおり。
- 看護師:患者さん
- 一般職:お客さん
上記の一番の違いは、金銭的な利害関係が常につきまとうこと。
というのも、患者さんとお客さんでは、求めているもの(=解決してほしいこと)が違います。
- 患者さん:病気を治療するためのサポート
- お客さん:購入する(購入した)商品に対するサポート
上記のとおりで、看護師と一般職では、基盤となる部分がまったくことなります。
なので、一般職に転職するときは、看護師の経験を一旦忘れたほうがいいです。
注意点②「新卒のつもりでがんばる」
なぜなら、一般職では看護師の経験がほぼほぼ意味なしになってしまうから。
実際、看護師と一般職では、仕事内容がまったくことなります。
問診 | 点滴・注射・採血 | 食事・排泄・入浴などの介助 |
各種検査の介助 | 患者さんの移送 | 手術の補助 |
体位変換 | カルテの記載 | 夜勤の巡回 |
バイタル測定 | ガーゼ交換 | etc… |
電話対応 | 書類作成 | 営業・経営などのサポート |
顧客対応 | 郵便物の発送・仕分け | データ入力 |
見積書・請求書・発注書などの作成・発送・管理 | 在庫管理 | プレゼンテーション資料の作成 |
伝票処理・整理 | 契約書の締結 | etc… |
このように、看護師と一般職では仕事内容がまったくことなります。
なので、一般職に転職するときは、新卒のつもりでがんばる必要があります。
注意点③「給料が減るのを覚悟する」
なぜなら、看護師から一般職に転職すると給料が減る可能性が大だから。
具体的には、以下のとおり。
全体 | 20〜29歳 | 30〜39歳 | |
看護師 | 約525万円 | 290〜348万円 | 356〜368万円 |
一般事務 | 約248万円 | 136〜199万円 | 114〜214万円 |
医療秘書 | 約320万円 | 190〜257万円 | 176〜276万円 |
経理 | 約360万円 | 221〜289万円 | 210〜321万円 |
広報職 | 約440万円 | 281〜353万円 | 279〜379万円 |
営業職 | 約520万円 | 341〜418万円 | 348〜448万円 |
参照:平均年収.jp
上記のとおりで、一般事務や医療秘書、経理などに転職した場合は、看護師より年収が下がってしまいます。
実際に私も一般職に転職してから、給料がガクッと減ってしまいました。
ただ、看護師時代に比べて、心身ともにリラックスした状態で仕事することができているので、後悔はありません。
看護師だって、命に関わらない仕事をしてもいい【働き方は自由です】
個人的には、看護師だからといって、命に関わる仕事をするべきとは思いません。
なぜなら人生の最適解というのは、常に変化するものだからです。
実際に私の場合も、看護師を一生続けることに絶望し、周囲の大反対や批判を押し切って看護師を辞めましたが、本当にやめてよかったと思っています。
看護師を辞めてよかった理由
理由は、以下のとおり。
- 身体的・精神負担が激減した
- ストレスが激減し、心身ともに穏やかに過ごせる日が増えた
- 人生に希望ができ、「生きていて楽しい」と思えることが増えた
こんな感じで、看護師を辞めたら人生の「幸せ指数が格段にアップ」しました。