これ以上、転職に失敗したくないので、転職に失敗しないための方法も教えてほしいです。
こういった疑問に答えます。
現在は転職アドバイザーとして活動しています。
私自身、転職活動をしていたときは、条件面の食い違いによる転職失敗や、情報収集の不足による転職失敗などなど、失敗を重ねていました。
そのかいもあって、途中から転職に失敗する確率を減らすことができました。
今回はそんな私の実体験にもとづいて、転職失敗の原因や具体的な対処法などについて解説します。
転職に失敗ばかりしてしまう看護師のための【思考術】

転職に失敗しないようにするためには、「転職前の思考」が重要になります。
具体的には、以下について、転職前にしっかりと思考する必要があります。
- 転職の目的が明確ではない
- 優先順位が明確ではない
- 転職時期が明確ではない
- 情報収集が不足している
- 自分の市場価値が明確ではない
- キャリア設計が明確ではない
実際、転職に失敗しやすい人というのは、上記についての思考が不十分なことが多いです。
これらについて、一つずつ解説していきます。
失敗理由①「転職の目的が明確ではない」
失敗しない転職をおこなうためには、転職目的を明確にすることが大切です。
以下のような「現状の不満を解決する」ことだけを目的とした転職はでNGです。
- なんとなく今の職場が嫌だから…
- 人間関係が嫌
- 職場のやり方が合わない
- etc…
不満の解決は、明確な転職目的にならない
なぜかというと、あなたが抱えている不満・不平は、どこに転職しても避けて通れるものではないから。
実際に私自身も、職場への不満・不平を解決するための転職をした経験がありますが、どこの職場に転職しても私が求める完璧な職場は見つかりませんでした。
どの職場にも嫌な面があり、一人か二人は嫌な人間がいて、仕事の考え方・やり方が合わないところがある…。
そして、転職目的を不満の解決にしている限り、満足のいく転職ができないどころか、毎回失敗することになる…それが私の行き着いた答えです。
転職目的を明確にする方法
経験として、生きる目的そのものを、見つめなおすことをオススメします。
なぜかというと、「生きる目的=転職目的」になるからです。
たとえば私の場合は、生きる目的を見つめなおすことで、「会社に属すことなく働きたい」という目的を、見つけることができました。
よくある質問「生きる目的を明確にするためには、どうすればいいの?」
自己分析をおこないましょう。
なぜかというと、転職目的が曖昧なのは、自分自身のことをよくわかってないのが主な原因だから。
具体的には、以下の記事で解説しています。
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余談:生きる目的によっては、看護師にこだわる必要はない
実際、生きる目的を見つめなおした結果、看護師以外に転職し、幸せな毎日を送れるようになった人を何人も知っています。
Bさん(看護師歴5年)の場合、自己分析をおこなった結果、現場で働くのではなく、教育に関わりたいということがわかりました。
その後Bさんは、病院を辞めて看護学校の教員に転職しましたが、充実した毎日を送れるようなったと、喜んでいました。
Aさん(看護師歴3年)の場合は、自己分析の結果、自分でサービスを作り出したい、ということがわかりました。
その後Aさんは、看護とはまったく関係ない、web関係の仕事に転職しました。
私の場合は、自己分析の結果、会社に属すことなく働く力を身につけたい、ということがわかりました。
そこから試行錯誤を繰り返して、今は副業で月3〜5万円の副収入と、不定期ですが10万円/回の副収入を得られるようになり、少しですが自由な時間を手に入れることができるようになりました。
このように生きる目的は、転職目的そのものに直結します。
そういった意味でも、生きる目的を見つめなおし、転職目的を明確にすることは、失敗しない転職をするために必須の作業といえます。
失敗理由②「優先順位が明確ではない」
結論として、失敗しない転職をするためには、優先順位を明確にすることが重要です。
なぜなら、優先順位を明確にしてから転職すれば、転職後に後悔する確率が低くなるから。
たとえば、優先順位の一番が「有給消化率」の場合、多少残業が多くても、有給がしっかりとれれば「しょうがない」と考えることができると思います。
実際問題、あなたの希望をすべて叶えてくれる職場は存在しません。
だからこそ、優先順位を明確にし、自分のなかで折り合いをつけれるようにしておくことは、失敗しない転職をするうえで重要なことです。
優先順位を明確にするときの注意点
注意点は、以下のとおりです。
- 優先順位をつけるときは、客観的に比較できるものを対象にする
- 最低でも3つに絞り込んで、順位をつける
具体的には、以下のようなものを比較対象にします。
給料・賞与 | 年間休日・休暇 | 有給取得率 |
夜勤・休日出勤 | 勤務時間・形態 | 残業時間 |
通勤時間 | 診療科目 | 病床数・看護師数 |
教育研修の充実度 | 産休・育休制度 | 福利厚生・待遇 |
寮・住宅補助 | 託児所完備 | キャリアアップ支援 |
退職金 | 経営理念 | etc… |
失敗理由③「転職時期が明確ではない」
失敗しない転職を行うためには、転職時期を明確にして、しっかりと「事前準備」を行うことが大切です。
なぜなら、新しい転職先を見つけるというのは、あなたが思っている以上に時間がかかる作業だからです。
実際問題、希望する職場を見つけたとしても、希望する職場に就職できるとは限りません。
しかもその場合は、無収入の月が何ヶ月も続くことになってしまいます。
私自身、数ヶ月間無収入のときがありましたが、ある程度貯蓄があっても収入がゼロになるというのは精神衛生的によくありませんでした…。
よくある質問「いつから転職活動をはじめればいいの?」
結論、最低でも転職する3〜6ヶ月前から準備します。
具体的な手順は、以下とおりです。
- 退職する旨を伝える(退職日の3〜6ヶ月前)
- 新しい転職先の情報収集を行う(転職サイトへの登録)
- 履歴書・職務経歴書の作成を行う
- 転職先への応募・面接の調整を行う
- 内定をもらう(雇用条件の確認必須)
- 退職手続きを行う
詳しくは、以下の記事で解説しています。
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失敗理由④「情報収集が不足している」
情報不足のまま転職をおこなうと、転職に失敗する確率が上がります。
なぜかというと、条件の食い違いが発生する確率が高くなってしまうから。
実際、情報不足のまま就職してしまい、転職に失敗してしまった看護師が多くいます。
私としては、「未経験OK=教育体制が整っている」と思っていたのですが、忙しすぎてまったく教えてもらうことができませんでした。
患者さんからも、他のスタッフからも怒られる毎日で最悪でした。
もっとしっかり情報収集すればよかった、と後悔。
というのも、ネットでみた条件で働くためには、最低でも1年は働かないといけないことに、働きはじめてから気づいたから。
しっかり確認しなかった私が悪かったのですが、なんだか騙された気分です。
しかも、辞めるまでの間、ほとんど出社してこないため、ろくに申し送りももらえませんでした。
こういったことは、事前に知りたかった。
経験上、このような失敗を防ぐためには、看護師転職サイトを利用しての情報収集が必須になります。
転職サイトを利用したほうがいい理由
というのも、一個人と看護師転職サイトでは、圧倒的な2つの差があるから。
- 圧倒的な経験の差(何千・何万もの転職サポートをおこなっている)
- 圧倒的な情報の差(自力では収集仕切れない膨大な情報量をもっている)
とくに、情報の差は歴然で、看護師転職サイトの利用あり・なしでは、情報収集率がかなり違います。
私の体感としては、以下のような感じでした。
転職サイトの利用 | 情報収集率 |
なし | 30% |
あり | 70% |
実際に私も、看護師転職サイトを利用して転職活動をおこないましたが、希望の条件を伝えるだけで、あっという間に求人を見つけてくれました。
しかも、ネットにのっている情報だけでなく、各職場のリアルな内部情報を教えてくれたので、評判の悪い職場への転職を避けることもできました。(このあたりは転職エージェントの質にかかっています)
内部情報を知ることは転職失敗を防ぐために重要
なぜかというと、転職に失敗したと感じた理由の多くが、ネットにのっている情報だけでは、わからないことだから。
具体的には、以下のとおり。
順位 | 転職に失敗したと感じた理由 | 割合(%) |
1位 | 忙しく、定着率が悪い | 20.5 |
2位 | 人間関係、上司のパワハラ | 17.8 |
3位 | 満足のいく医療ができずやりがいが感じられない | 15.1 |
3位 | 希望(配属先・残業時間など)と違った | 15.1 |
5位 | 引き継ぎがなく教育体制が整っていない | 9.6 |
5位 | 給料の減額や昇給率の低さ | 9.6 |
7位 | 休暇が取りにくい | 5.5 |
8位 | 責任にが大きくなった | 4.1 |
9位 | その他 | 2.7 |
*参照:HOT!ナビ看護師「転職に失敗ばかりの看護師が間違いやすい10の実例談、5つの対策」
失敗しない転職をするためには、上記の情報を事前に確認することが重要になります。
そのためには、看護師転職サイトの情報だけでなく、実際に見学にいって現場を確認することが必須です。
失敗理由⑤「自分の市場価値が明確ではない」
失敗しない転職をするためには、自分の市場価値をある程度認識することが大切です。
理由は以下のとおり。
- 自分の身の丈にあった転職ができるため、転職の失敗を防ぐことができる
- 自分の市場価値がわかれば、転職成功だけでなく、条件の交渉をすることができる(場合によって)
自分の市場価値を明確にする方法
自分の市場価値を認識する方法の一つが、経営者の立場になることです。
たとえば、以下のように思考します。
質問「あなたが経営者なら、あなたを雇いたいですか?」
一般的に、看護師の平均月収は30万円程度と言われています。
それを踏まえて、あなたが経営者なら、あなたのことを雇いたいと思いますか?
さらに深掘りしてみます。
売上350万円・従業員10名(月収30万円)の会社を経営している場合、あなたを雇うと利益が50万円→20万円に下がってしまいます。
このような条件の場合、あなたが経営者ならあなたを雇いますか?
これはあくまでも例え話ですが、あなたが経営者の立場になったときに、あなたをいくらで雇うのが妥当なのかと考えると、あなたの市場価値を認識しやすくなります。
よくある質問「そんなこと言われても、自分の市場価値なんてわからない…」
そんなときは、第三者に聞いてみるのが一番です。
第三者といっても、仲のいい友達はあまりオススメしません。
できるなら職場の先輩や上司や、あまり仲良くない人などあなたを客観的にみることができる人がいいです。
とはいえ、いきなり自分の市場価値を教えてくださいとは聞けないですよね。
当然私も聞くことはできなかったので、転職エージェントに率直な意見をもらいました。(厳しい意見でした…)
https://life-climber.com/nurse-changejob-agent/
失敗理由⑥「キャリア設計が明確ではない」
経験として、失敗しない転職をおこなうためには、キャリア設計をおこなうことが重要です。
なぜなら、キャリア設計をしっかりとおこなったうえで転職をおこなえば、軸をもった転職ができ、自分自身の市場価値を高めていくことができるからです。
とはいえ、ただ漠然と将来のことを考えても、キャリア設計はできません。
そこでおこなってほしいのが、自己分析です。
自己分析をおこなう理由
理由は、「どう生きたいのか」を明確にするためです。
そして、「どう生きたいのか」の答えが、「転職活動の軸」になります。
実際に私の場合は、自己分析をおこなうことで、以下のような結論にいたりました。
- どう生きたいか:組織に属すことなく働きたい
- 転職活動の軸:看護師資格を活かしながら、組織に属さず働く方法をみつける
転職活動の軸が決まってからは、介護系の職場に転職したり、起業の失敗を経験したり、一般職に転職したりしました。
結果、今では副業で月3〜5万円の副収入、不定期ですが10万円/回の副収入を得られるようになりました。
このように、少しずつ組織に属すことなく働きたいという生き方を実現できるようなったのは、常に「組織に属さず働く方法をみつける」という軸をもって、転職活動をおこなっていたからです。
自己分析をおこなう方法
自己分析をおこなう方法はさまざまありますが、とりあえずは無料で利用できる「キャリアプラン作成補助シート」を利用すれば問題なしです。
キャリアプラン作成補助シートには、自分の個性・性格や仕事を選ぶうえでのこだわり、自分の強み・弱み、将来取り組みたい仕事や働き方などに答える項目があります。
これらの項目を一つずつ答えていくことで、自己理解をおこなうことができ、最終的に「どう生きたか」を明確にすることができます。
【無料】キャリアプラン作成補助シートのダウンロード先
キャリアプラン作成補助シートは、厚生労働省のジョブカード制度の一つで、「ジョブカード制度総合サイト」から無料でダウンロードすることができます。
*参照:厚生労働省・ジョブカード制度総合サイト
一人で考えても、どうすればいいかわからない…
そんな場合は、誰かに相談するのがいいと思います。
というのも、自分が本当に思っていることを明確にするためには、誰かと「話をしながら」頭の中を整理することが大切だから。
相談する相手は、話しやすい相手なら親でも友人でも、同期、先輩でも誰でもOK。
また、今だと「どう生きたいか?」を明確化してくれる、キャリアのパーソナル・トレーニングサービスもあるので、そういったものを利用するのもいいと思います。
詳しくは、以下の記事で紹介しているので、一度、みてもらえるとうれしいです。
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転職に失敗ばかりしてしまう看護師のための最適解ツール【転職サイト】

繰り返しになりますが、失敗しない転職をおこなうためには、看護師転職サイトを利用したほうがいいです。
なぜかというと、転職サイトを利用することで転職に失敗する確率を下げることができるから。
とくに20〜35歳の看護師は、転職サイトを利用したほうがいい
というのも、年齢が若ければ若いほど、転職に失敗する割合が高くなるから。
転職時の年齢 | 割合(%) |
〜24歳 | 30.6 |
25〜29歳 | 36.8 |
30〜34歳 | 14.3 |
35〜39歳 | 6.1 |
40歳代 | 10.2 |
50歳以上 | 2.0 |
*参照:HOT!ナビ看護師「転職に失敗ばかりの看護師が間違いやすい10の実例談、5つの対策」
体験談「私が転職活動で失敗した話」
具体的なお話をすると、私が転職活動をしていたとき、一番はじめは転職サイトを利用せず、ネットの情報のみで求人を探して転職しました。
それが失敗で、実際に働きはじめてみると、ネットで書いてあった条件とはまったく違う条件で仕事をするように指示されました。
話が違う…と思った私は、ネットの条件を見せて交渉しましたが、数ヶ月後に退職することになってしまいました。
この大失敗の初転職から、失敗しない転職をするためには「その道のプロに相談する」ことが大事だということを学びました。
転職後すぐに失敗だったと感じる人は多い件
実際、HOT!ナビ看護師がおこなったアンケートでは、6割近くの看護師が「入職後1ヶ月以内」に転職に失敗したと感じていることがわかりました。
転職に失敗したと感じた時期 | 割合(%) |
入職前 | 8.16 |
入職後1週間以内 | 24.49 |
入職後1ヶ月以内 | 24.49 |
入職後半年以内 | 22.45 |
入職後1年未満 | 6.12 |
入職後1年以上 | 14.29 |
*参照:HOT!ナビ看護師「転職に失敗ばかりの看護師が間違いやすい10の実例談、5つの対策」
よくある質問「看護師転職サイトを利用すれば、必ず転職の失敗を防げますか?」
結論として、看護師転職サイトを利用しても必ずいい結果に結びつくとは限りません。
なぜなら、看護師転職サイトに登録されている、すべての求人が良質な求人ではないからです。
実際、看護師転職サイトの一つから、紹介してもらった求人の面接に行ってみると、事前に聞いていた情報とまったく条件を提示されたことがありました。
このように転職サイトを利用したとしても、いまいちな求人に当たることがあるというのは頭に入れておいたほうがいいと思います。
【悲報】看護師転職サイトを利用しても、条件の食い違いが起こることがある
条件の食い違いが起こる主な原因は、以下のとおり。
- すべてを転職エージェントに任せてしまう
- 条件面の最終確認を怠ってしまう
条件の食い違いを防ぐためには、転職エージェントにすべてを任せるのではなく、自分自身で条件面の最終確認をおこなうことが重要になります。
実際にあった、条件面の食い違いによる転職失敗
面接でのことを伝えると、「そんなことは言ってない」と…。
体調的にどうしても夜勤ができないので、退職することになりました。
スタッフに話を聞くと、聞いていた条件と違うといって辞めてく人が、たくさんいるとのこと。
もちろん、私も辞めました。
それからは、しつこいくらいに条件の確認をするようにしています。
しかし、蓋を開けてみると「残業はあたりまえ、有給はとれない」という、条件とは真逆の状態でした。
実際に働いている人の声を聞けたら、こんなことにはならなかったのに、と後悔しかありません。
入職後の条件面の食い違いを防ぐ方法
具体的な方法は、以下のとおり。
- 条件面の確認を、しつこいくらい行う
- 確認がとれたら、「しっかりと書面」に残しておく
実際、書面に残しておくと、入職後でも条件面の交渉をおこなうことができる可能性が高いです。
もしも、交渉をおこなっても条件が改善されない場合は、お互いのためにも辞退するほうがいいと個人的には思います。
転職サイトは完璧ではないけど、利用したほうがいい【失敗確率を下げることはできる】
実際に私の場合は、複数の転職サイトに登録して、より多くの情報収集をおこなうことで、転職の失敗確率を減らすことができました。
そのなかでも、とくに重要だと感じたのが「転職エージェント」の存在です。
体験談「失敗しませんから!頼もしいキャリアアドバイザーとの出会い」
複数の転職サイトを利用したなかで、とくにお世話になったのが鈴木さん(仮名)です。
鈴木さんは、少し背の低い愛嬌のある女性の方でした。
第一声で「失敗しませんから!安心してください!」と笑顔でいうので、思わずコーヒーを吹き出しそうになりました。(後日談ですが、私がとても不安そうな顔をしていたみたいです…)
実際に話をしてみると、豊富な情報量や質問に対する的確な答え、妥協しない姿勢など、この人になら安心して任せてもいいと思える方でした。
鈴木さんには、4箇所の施設に同行してもらった後に、もう一度話し合いをした後、無事に転職することができました。
もちろん、転職先の環境はとてもよく、充実した毎日を過ごすことができました。
https://life-climber.com/nurse-changejob-agent/