というかクリニックにはどんな職場があって、どんな仕事をするのだろうか?
転職をすることで後悔したくないので、自分のキャリアプランにあったクリニックを知りたい。
こういった疑問に答えます。
現在は転職アドバイザーとして活動しています。
この記事ではクリニック看護師として転職のメリット・デメリットや、クリニックの種類・働き方、失敗しないクリニックの選び方に関して実体験にもとづいて解説します。
クリニック看護師として転職した際のメリット・デメリットを解説します
転職した後に後悔しないようにするためには、クリニックに転職した際のデメリット・メリットを確認しておくことが大切です。
クリニックと一言にいってもさまざまありますが、ここではクリニック全般におけるメリット・デメリットを解説します。
クリニック看護師として転職した際の「デメリット」
クリニック看護師として転職した際のデメリットは、以下の通りです。
- 給料が下がる
- 急な休みがとりずらい
- 看護師がやるの?という業務がある
- 病院で必要となるスキル維持が難しい
- スタッフが少ないため相性が合わないと働きずらい
一つづつ解説していきます。
給料が下がる
一部のクリニックを除いては、病院勤務のときに比べて給与が低くなってしまいます。
その一番の理由は夜勤手当がなくなるということです。
実際に病院で働いているときにもらうことができる夜勤手当の平均額は、以下のようになります。
夜勤手当/回 | 夜勤回数 | 夜勤手当/月 | |
3交代勤務 | 約4,000〜5,000円 | 約8日前後 | 約3,2〜4万円 |
2交代勤務 | 約11,000円 | 約4回前後 | 約4万円 |
そのほかにも病院勤務の場合は、交代勤務手当や休日手当、超過勤務手当などさまざまな手当がつくことがあるため、給与の差が生まれてしまいます。
例外「美容クリニックの場合」
美容クリニックに関していえば、給料が下がるに当てはまらないことが多いです。
その理由は、一般のクリニックが保険内診療なのに対して、美容医療は保険が適用されない自由診療の場合が多いからです。
それにプラスして知名度の高い美容クリニックの場合は、より高い料金設定でより高い利益を生むことができるため自然と看護師の給料が高くなる可能性が高いんです。
実際に美容クリニックの給与水準は、月収30万円(日勤のみ)を超えるところが多数あります。
さらに多くの美容クリニックでは、インセンティブ制度(報奨金制度)があり、個別の契約件数に応じて給与とは別に報奨金が支払われるため給与が高くなるんです。
また美容クリニックでは、さまざまな施術が社員価格で利用できるともいっていました。
たしかに同期のなかでもずば抜けて華やかな人だった…
急な休みがとりずらい
病院にいても急な休みはとりずらいですが、クリニックの場合はさらに急な休みがとりずらいです。
その理由は、限られた人数で現場を動かしているからです。
とくに地域にある一般的なクリニックの場合は、正社員が1名・パートが1〜2名で現場を回すところが多いです。
そのため急な休みをとる場合は、自分で代わりの人を見つけなければいけないというルールがあるクリニックもあるようです。
「小さなお子さんがいる場合は小さなクリニックではなく、ある程度規模で常勤看護師の人数が多いクリニックに転職した方が働きやすい」
病院で必要となるスキル維持が難しい
クリニックでは、病院のように医療的な処置が必要になる場面がほとんどないため、病院で必要となるスキルレベルが低下しやすい環境にあります。
実際、病院では看護業務に専念して仕事をすることができますが、クリニックの場合には受付や備品管理、書類作成など看護師業務の仕事を行うことも多いです。
私が転職サポートを行うときには転職前に今後のキャリアプランを聞いて、将来病院勤務に戻りたいという意思がある場合は、看護処置が多いクリニックへの転職の検討を提案することもあります。
スタッフが少ないため相性が合わないと働きずらい
病院の場合はシフト勤務なので相性が合わない人とまったく会わない、もしくは入れ替わりになることもあるためやり過ごすことができます。
またどうしても病棟にいることがツライ場合は、他の病棟に異動することができます。
しかしクリニックではスタッフの人数が少なく、一緒に働く人との時間が固定されやすため人間関係が悪化すると地獄のような環境になってしまいます。
クリニック看護師として転職した際の「メリット」
クリニック看護師として転職した際のメリットは、以下の通りです。
- 夜勤がないクリニックが多い
- 短時間勤務をすることができる
- 規則的な生活を送ることができる
- 異動がない
- 病棟に比べて体力的・精神的に楽になる
- 昼休みがしっかりと確保されている
一つづつ解説していきます。
夜勤がないクリニックが多い
多くのクリニックでは日中のみの勤務になるため、夜勤が苦手・できない方でも正社員として働くことができます。
- 一般的な内科・外科クリニック
診療時間 | 9〜12時・15〜18時 |
休診日 | 平日の午前・午後・1日、土曜の午後、日曜、祝日 |
- 一般的な美容外科クリニック
診療時間 | 10〜19時 |
休診日 | 年中無休(不定休) |
このように一般的なクリニックでは、日中のみの勤務になるため夜勤が苦手・できない方でも安心して働くことができます。
その後、内科クリニックに転職しましたが、体調がよくなり生活レベルがあがったと喜んでいました。
短時間勤務をすることができる
多くのクリニックでは、午前のみや午後のみなど短時間勤務がしやすいため、家庭と仕事を両立しながら働くことができます。
実際に内科クリニックへ転職した後輩看護師は、保育園の時間である9〜15時までの短時間勤務をしています。
後輩曰く、病院にいた頃は短時間勤務をすると嫌な目で見られていたけど、今のクリニックではそういったことがなくて気が楽だといっていました。
規則的な生活を送ることができる
一般的なクリニックでは、毎週決まった勤務+日曜休みになるため規則的な生活を送ることができます。
- 一般的な内科・外科クリニック
診療時間 | 9〜12時・15〜18時 |
休診日 | 平日の午前・午後・1日、土曜の午後、日曜、祝日 |
病院の不規則な生活で体調を崩してしまう人は、クリニックへの転職も選択肢の一つとして考えるのもオススメです。
異動がない
クリニックでは、異動のストレスを感じることなく働くことができます。
実際にクリニックへの転職サポートをした看護師さんが、こんなことをいっていました。
「病院勤務のときは異動の時期が近づくたびに、どこの部署に飛ばされるんだろうという不安がありましたが、クリニックへ転職してからは異動のストレスがなくてとてもいいです」
病院勤務に比べて体力的・精神的な負担が軽くなる
夜勤・急変・手術後のバイタルチェック・点滴管理・鼻注管理・体位交換…など、病棟勤務は激務の中の激務です。
クリニックではそういった病棟の激務からは解放されるため、体力的・精神的な負担が比較的軽くなります。
実際にクリニックで働いている後輩看護師も、病棟勤務のときに比べて体が楽になったといっていました。
ただクリニックでは、看護師業務以外も行うことがあるため慣れるまで違う意味で大変だったようです。
昼休みがしっかりと確保できる
一般的なクリニックでは、午前の診療と午後の診療の間があくためお昼休みをしっかりと確保することができます。
実際に自宅近くのクリニックに転職した看護師さんは、昼休みになると一旦家に帰って家のことができるのでとても助かるといっていました。
そのほかにも病棟のお昼休みは気が休まらないけど、クリニックの場合はしっかりと休むことができていいという声をありました。
クリニック看護師としての転職【クリニックの種類・働き方】
ここまでクリニックに転職した際のメリット・デメリットについて解説してきました。
そこで気になるのがクリニックにはどんな職場がって、どんな仕事をするんだろうということですよね。
ここからはそんな疑問に答えるために、クリニックの種類と働き方について簡単に解説していきます。
クリニックの種類と働き方
クリニックには以下のような大きく分けて、以下のような種類があります。
- 内科系クリニック
- 整形外科クリニック
- 小児科クリニック
- 産婦人科クリニック
- 美容クリニック
一つづつ解説します。
内科系クリニック
内科系クリニックでは、患者さんの呼び出し・診察の介助・採血・食事指導…など幅広い仕事を行います。
また多くの内科系クリニックでは、日勤のみの勤務+日曜・休日休み+平日1日休みになるため、家庭と仕事を両立したい方にとって働きやすい環境になっています。
整形外科クリニック
整形外科クリニックでは、患者さんの呼び出し・診察の介助・レントゲン撮影の検査説明・包帯巻き・ギプス固定・カットなどの仕事を行います。
勤務時間や休みなどは、内科系のクリニックとほぼ変わりないため、家庭と仕事を両立したい方にとって働きやすい環境になっています。
実際に転職サポートをしていると、整形外科クリニックに就職する多くの方が整形外科の経験がある看護師さんという印象です。
産婦人科クリニック
産婦人科クリニック(入院設備がある)では、患者さんの呼び出し・診察の介助・採血・点滴・分娩の介助・手術の介助などの仕事を行います。
産婦人科クリニックの場合、分娩の対応をする必要があるため日勤・夜勤(当直)の勤務になります。
産婦人科クリニックは分娩という特殊なスキルが必要なため、産婦人科に勤務したことがない看護師さんの転職はオススメしていません。
ただスタッフの人数が多く研修制度が整っているクリニックの場合は、未経験の看護師さんでも転職することが可能です。
小児科クリニック
小児科クリニックの仕事内容は内科系クリニックとほぼ変わりませんが、年齢層が新生児から15歳になります。
勤務時間や休みなどは内科系のクリニックとほぼ変わりないため、家庭と仕事を両立したい方にとって働きやすい環境になっています。
ただ年齢層が新生児から15歳ということもあり、小児科での経験がない看護師さんの転職はオススメしていません。
美容系クリニック
美容系クリニックでは、受付・電話対応・カウンセリング・点滴・オペ・滅菌作業などの仕事を行います。
美容クリニックの場合には、以下のような特徴があります。
- 休みが取りやすい
- 始業時間がゆっくり
- 医療知識や技術があまり求められない
- 美容施術・点滴の割引を受けることができる場所がある
ただ日曜休みではないこと、始業時間が遅い分、終了時間も遅いため子育て中の看護師さんには働きにくい職場となります。
クリニック看護師としての転職【失敗しないクリニックの選び方】
キャリアプランにあったクリニックを見つけるためには、まずは転職サイトを利用することをオススメします。
なぜならクリニックは診療科別の特徴だけではなく、職場の特色が色濃くでる転職先だからです。
実際、多くのクリニックでは院長が経営者になるため、院長の方針がクリニックの色になります。
しかし外から見た感じや面接だけの一瞬では、どんな色の経営をしているのかを知ることが難しいです。
転職サイトの利用は、そういった問題を解決するための方法の一つになるんです。
【体験談】転職アドバイザーがオススメする転職サイト2選
私がオススメする転職サイトは以下の2つです。
マイナビ看護師
マイナビ看護師をオススメする理由は、「ナースのためのクリニック転職ナビ」という特設ページがしっかりとあるからです。
またクリニック転職希望者に向けた無料転職相談会も行なっているので、クリニックへの転職が本当にいいのかを直接聞くことができます。
看護のお仕事
看護のお仕事でもクリニック求人がしっかりとあります。
こちらはマイナビ看護師のような無料転職相談会はありませんが、職場の雰囲気を教えてくれたり、給与交渉や勤務時間の相談など就職までのすべてをサポートしてくれます。
どちらか一方ではなく、両方の転職サイトを利用することでより詳細な情報をゲットすることができます。
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